メタボリックシンドローム
2008 年 12 月 9 日 火曜日
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生活習慣病はかつて成人病と呼ばれていましたが、その原因が不適切な生活習慣にあると医学的にも認められたため、現在の病名となりました。
現在日本で言われている生活習慣病とは肥満・高血圧・高脂血症・高血糖の4つを指します。いずれの疾患も成人・小児を問わず患者数の増加が大きな問題となっており、その原因としては食習慣の欧米化に加え、運動不足や睡眠不足、ストレス、不規則な生活サイクルなどが考えられています。それぞれ一つの疾患があるだけでも将来的に動脈硬化が進み、生命にかかわる心疾患や脳血管障害に移行する危険があるのですが、中には複数の疾患をお持ちの方もおられます。肥満・高血圧・高脂血症・高血糖の4つ全てが存在する状態を「死の4重奏」、これらに喫煙が加わると「死の5重奏」といわれ、死亡率が極めて高くなる危険な状態とされています。ご存知のように、日本でもこれらの疾患の危険性が認められたため、国を挙げての対策として40歳以上の全国民への検診が義務つけられました。しかし、これらの検診方法にも様々な問題があり、決して完全な物とは言えません。
■ 日本人は生活習慣病になりやすい?
対策としては、まずは日本人に適した生活習慣、特に食習慣を見直す事です。日本人も含めた我々モンゴロイドという人種は、飢餓の歴史が長く、その生活史の中で少ない食べ物から効率よく栄養を吸収するという能力を持った遺伝子を持っています。また、農耕の歴史が長かったことから、消化機能や体の構造も、植物性食品の消化に適した体へと進化してきました。一方の北方ヨーロッパでの生活が長かった白人は、植物の育ちにくい環境や寒さに対応するために古来から動物性食品や乳製品を食べてきました。おのずと体もこれらの食べ物を消化・吸収しやすいように進化しています。つまり、我々日本人と白人では、生活史の中で全然違う体質を獲得してきたのです。しかし、近年になって経済発展に伴い我々日本人は、日本にいながら世界中のありとあらゆる食べ物を食べられるようになりました。特に、かつてはめったに口にする事のなかった肉類・卵・乳製品・砂糖などを当たり前のように毎日食べられるようになりました。一見豊かな食生活のようですが、実はこれが我々日本人の体には大きな負担を掛けているのです。例えば最近の研究でも明らかにされていますが、我々モンゴロイドは白人の方に比べ血糖値を下げるインスリンというホルモンの分泌能力が半分程度しかないのです。つまり、同じものを食べてもモンゴロイドは白人よりも明らかに糖尿病になりやすいのです。このことは同じモンゴロイドで欧米食をある程度の期間食べてきたアメリカ・インディアンや、ハワイやブラジルなどに住む日系人に、糖尿病の発症率が同じ地域の白人よりはるかに高い事をみてもわかります。あるアメリカ・インディアンの村では何と人口の約7割が糖尿病を発症しているとも言われています。このように食事とは、気候・風土を考慮すると共に、その人種の消化機能に合ったものを選ぶことが大切です。特に日本人の食べてきた和食は、今や世界中からヘルシーフードとして認められ、世界各国にお店があるほど素晴らしい食事です。もう一度、日本人の体質を考え、伝統食を見直してみましょう!
■ 生活習慣病改善への食事法
前述のように、まずは和食中心にすることです。洋食にするとどうしても脂肪分や油、糖分が増えてしまいます。例えば朝食をパン食だとすると、パン自体にバターや白砂糖がかなり含まれていますし、菓子パンならさらたくさんの物が含まれます。仮に食パンだとしても、バターやマーガリン、ジャムを塗ったりすれば、かなりの量の糖分・油分と脂肪分になります。そして一緒に飲むコーヒーや牛乳、ジュースなどにも砂糖や脂肪分を入れることもあります。これが伝統的な和食の場合には、ほとんど砂糖や脂肪は含まれません(しかも栄養分が不足する事は有りません)。二つを比較すると、その摂取物の違いは明らかです。ですから、なるべくカタカナの食材(パン、パスタ、ラーメンなど)をひらがなの食材(ごはん、うどん、そばなど)に変えていきます。これだけでも、かなりの効果が期待できます。さらに効果を高めるためには、ご飯を食事の中心にします。お米は主食といわれるくらいですから、食事の全体量に対して最低でも50%くらいの分量を食べていただきたいのです。(重症の糖尿病の場合は除く) 特に何かの病気をお持ちの方は、おかずとご飯のバランスに気をつけ、おかずが多くなりすぎないように注意してください。「炭水化物は太りやすい」という誤った情報が流れていますが、これは全く根拠の無いものです。現に昭和30年代の日本人は、一人平均年間120kg.のお米を食べていたのに対し、現在の年間一人当たりの消費量は約60kg.と約半分になっています。それなのに肥満者の数は当時の何倍にもなっています。このことからも、お米が肥満の原因ではないことは明らかです。また、ご飯中心ですと腹持ちも良いので間食が少なくて済むという効果もあります。
■ 噛んでやせる?
今までいくつかのことを述べさせていただきましたが、実は私自身が超メタボでした<笑>
10年前に食事の大切さに気づく前の私は、身長が166cm.しかないのに体重が86㎏もありました。ラグビーをしていたこともありましたが、週に2~3度は焼肉や中華料理を食べ、糖分やアルコールもたくさん摂取していました。あるきっかけで食の大切さに気づいた私がまず行ったことが、良く噛む習慣を身につけることでした。人と話していたり、テレビや新聞などを見ながら食事をしたりすると、無意識の内にほとんど噛まずに食事を飲み込み、次から次へと食事を口へ運んでしまいます。これではおのずと早食いになってしまい、食事の量も増えてしまいます。
そこで、意識的に噛む癖をつけるために、食事を口に入れる度ごとに箸をテーブルの上へ置き、両手を太ももの上に置きます。そして、噛む回数を数えていくのです。最初の目安は1口30回程度からが良いでしょう。飲食中に水分をとる習慣のある方は、噛まずに水分で食事を流し込んでしまうこともありますので慣れるまでは控えてください。噛む事の効用は、第一に食事に時間が掛かるため、ある程度の時間が経つと脳内の満腹中枢に刺激が行き、食事量が減らせる事です。
第二には、唾液や消化液がしっかり分泌されるので消化が良なり、太りにくくなる。他にも唾液による消毒作用、自律神経を調節する作用、姿勢を良くする働き、脳内の血流を良くして認知症などの予防になる、唾液ホルモンによる若返りの作用など実に多くの効用があります。私の場合に最も効果があったと考えられることは、噛む癖がついたことによって食事の嗜好が変わったことです。想像していただくとわかりやすいのですが、かつて好きだった肉やお刺身、甘いお菓子などをしっかり噛むと、味が変わってだんだんと気持ち悪くなってきます<笑>
この習慣のお陰で食事の嗜好が変わり、噛めば噛むほど味の美味しくなる穀物菜食中心の食事に徐々になってきました。同時に食事の量も減ってきたこともあり、約1年で20kg.以上の減量に成功し、現在も維持しています。無理に食事量を減らしたり、食材の制限をしたりしていないので、あまりストレスを感じることなくやせる事ができました。しかも体調はもの凄くよくなり、今までに増して体力もついたようで、ラグビーをしても同年代の仲間より良く動けるようになりました。
私以外にも噛む習慣をつけたことで体重が減った方が私の周りにはたくさんおられます。
やせるための難しい方法論の前に、まずは噛む習慣をつけてください。おのずと食べ物の嗜好も変わり、必ず体にも良い変化が起こります。しかもお金はかかりませんので、良い事づくめですね。
2008 年 12 月 9 日 火曜日